週末ソロアウトドアを安全に楽しむ:出発前の家族・友人への連絡と必須共有事項
久しぶりにアウトドア活動に再挑戦される際、単独(ソロ)での活動を検討される方もいらっしゃるかもしれません。ご自身のペースで楽しめるソロアウトドアは魅力的ですが、もしもの時に頼れる仲間がいないため、より一層の安全対策が重要となります。
特に、出発前の情報共有は、ソロ活動における最も基本的な、そして非常に重要な安全対策の一つです。今回は、週末のソロアウトドアを安全に楽しむために、出発前にご家族やご友人に伝えておくべき情報とその重要性について解説します。
なぜソロアウトドアで出発前の情報共有が重要なのか
ソロで活動中に万が一、怪我や道迷い、体調不良などが発生した場合、ご自身の力だけで対処できない状況も考えられます。そのような緊急事態が発生した際に、速やかに発見・救助活動につなげるためには、周囲が「どこで」「いつから」連絡が取れなくなったのかを知っていることが不可欠です。
出発前に信頼できる方へご自身の計画を共有しておくことは、いわば「もしもの時の保険」となります。何も起こらないことが一番ですが、万が一に備えることで、安心してアウトドアを楽しむことができます。
誰に、どのように伝えるべきか
情報を共有する相手は、ご家族や普段から連絡を取り合っているご友人、信頼できる知人など、あなたが無事に戻るまで計画を気にかけてくれ、万が一の際に冷静かつ迅速に対応してくれる可能性のある方を選びましょう。複数の方に伝えておくと、より確実性が高まります。
伝える方法としては、LINE、メール、電話、紙に書いて渡すなど、様々な方法がありますが、相手が内容を確実に確認でき、いつでも見返せる形が望ましいです。デジタルツールであれば、グループLINEや共有メモ機能などを活用するのも良いでしょう。口頭だけでなく、記録に残る形でお伝えすることをお勧めします。
出発前に必ず伝えておくべき必須共有事項
それでは、具体的にどのような情報を共有すべきでしょうか。以下に必須となる項目をリストアップします。
- 行き先と具体的な場所:
- 活動予定の山域、公園名、河川名など。
- 具体的な登山ルート名、利用するトレイルの名前、キャンプ場の区画番号など、特定の場所がわかるように伝えます。地図アプリのスクリーンショットや、事前に調べておいたURLなどを添えるのも有効です。
- 日程:
- 自宅を出発する日時。
- 現地に到着する予定日時。
- 活動を終える予定日時。
- 自宅に帰宅する予定日時(〇月〇日〇時頃までには帰宅予定、など)。
- 同行者の有無:
- 今回はソロ活動ですので、「単独での活動であること」を明確に伝えます。
- 主な連絡手段と緊急連絡先:
- 当日使用する携帯電話の番号、キャリア。
- 予備バッテリーやモバイルバッテリーの有無。
- 衛星通信デバイス(お持ちの場合)の有無と種類。
- 万が一、あなたと連絡が取れなくなった場合に、相手が連絡すべき緊急連絡先(ご家族の他の連絡先など)を伝えておきます。
- 車両情報:
- 使用する車の車種、色、ナンバープレートの番号。
- 駐車予定の場所(登山口の駐車場名、利用する駐車場の住所など)。
- 計画の概要:
- おおよその行動計画(午前中に山頂、午後に下山、など)。
- 通過予定のチェックポイントや休憩予定地。
- もしもの場合の対応依頼:
- 「〇月〇日〇時までに〇〇から連絡がなければ、警察や関係機関(登山の遭難であれば山岳救助隊、河川であれば消防など)に連絡してほしい」といった、具体的な対応依頼事項を伝えておくことが非常に重要です。この「連絡がなかった場合の目安時間」を具体的に設定しておくことで、早期の対応につながります。
- 装備に関する情報(任意ですが推奨):
- 着用しているウェアの色や特徴(目立つ色であれば発見されやすい)。
- 持参する主な装備(ザックの色、テントの色、寝袋の種類など)。
これらの情報をまとめて、あらかじめメッセージアプリの定型文として保存しておいたり、すぐに印刷できるシート形式にしておいたりすると、準備がスムーズです。
計画変更や無事帰宅の連絡を忘れずに
出発前の情報共有と同じくらい大切なのが、計画に変更があった場合の連絡と、無事に活動を終えて帰宅した際の連絡です。
- 計画の変更: 現地で天候が悪化したり、体調が思わしくなかったりして計画を変更(ルート短縮、引き返すなど)した場合は、可能な限り共有した相手にその変更内容と現在の状況を連絡しましょう。
- 無事帰宅の連絡: 活動を終え、安全な場所(自宅など)に到着したら、必ず共有した相手に無事の連絡を入れましょう。「〇時に無事帰宅しました」と一報を入れることで、相手の心配を安心に変えることができます。この連絡がないと、相手が緊急事態と判断してしまう可能性があります。
まとめ
ブランクがあってもソロで週末アウトドアを楽しむためには、事前の準備が不可欠です。特に、出発前にご家族やご友人に詳細な計画と万が一の際の対応依頼を伝えておくことは、ご自身の安全を確保するための重要なステップです。
今回ご紹介した必須共有事項を参考に、あなたにとって最も安心できる方法で情報共有を行ってください。適切な準備と情報共有を行うことで、久しぶりのソロアウトドアも心置きなく楽しむことができるでしょう。