久しぶりのアウトドアに:安全&快適なザックの選び方と詰め方のコツ
久しぶりにアウトドア活動に挑戦される際、どのような装備が必要か、どのように準備すれば安全か、様々な疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。特に、体への負担を軽減し、安全を確保するための「ザック(リュックサック)」選びと、荷物を詰める「パッキング」は、快適で安全なアウトドアを楽しむ上で非常に重要な要素です。
適切なザックを選び、効率的にパッキングすることで、歩行中のバランスを保ち、疲労を軽減し、必要なものを必要な時にすぐに取り出すことができます。これは、万が一の事態が発生した際にも冷静に対処するために不可欠な準備と言えるでしょう。
この記事では、ブランクがあっても安心してアウトドアを楽しむために、安全で快適なザックの選び方の基本と、実践的なパッキングのコツについて解説します。
ブランクからの再開!なぜザック選びとパッキングが重要なのか
アウトドア活動において、ザックは単に荷物を運ぶ道具ではありません。体の一部のようにフィットし、長時間の行動を支える大切な相棒です。特にブランクがある場合、以前とは体力や体格が変わっている可能性も考えられます。体への負担を最小限に抑え、安全に動き続けるためには、以下の点が重要になります。
- 体力の温存: 重心が安定しないザックや、体格に合わないザックは、余計な体力を消耗させます。適切なザックとパッキングは、疲労を軽減し、最後まで安全に行動するための基礎となります。
- バランスの維持: 不安定なパッキングは体のバランスを崩しやすく、転倒や滑落のリスクを高めます。特に悪路や急斜面では、バランス感覚が重要になります。
- 非常時の対応: 必要な装備(救急セット、レインウェア、ライトなど)がすぐに取り出せるよう整理されていることは、急な天候変化や怪我など、万が一の事態に迅速かつ冷静に対応するために不可欠です。
自分に合ったザックの選び方:基本のチェックポイント
安全で快適なアウトドア活動の第一歩は、体に合ったザックを選ぶことです。以下のポイントを確認しながら選びましょう。
1. 活動内容と容量を考える
日帰りハイキングなのか、数日間のテント泊なのかによって、必要なザックの容量は大きく異なります。
- 日帰り: 20リットル~30リットル程度が目安です。レインウェア上下、防寒着、行動食、飲み物、救急セットなどを収納できます。
- 山小屋泊(1泊): 30リットル~45リットル程度が目安です。着替えや洗面用具などが加わります。
- テント泊(1泊~): 50リットル以上が必要になることが多いです。テント、寝袋、マット、調理器具、食料など、多くの装備を収納する必要があります。
久しぶりの場合は、まずは無理のない範囲で、装備が少なくて済む日帰り程度の活動から始めるのがおすすめです。
2. 体格に合ったフィット感を重視する
ザックは背面の長さ(背面長)が自分の体格に合っていることが最も重要です。背面長が合わないと、ショルダーハーネスやヒップベルトが適切な位置にこず、ザックの重量を効果的に分散できません。
- 試着の重要性: 可能であれば、実際にアウトドア用品店などで試着することをおすすめします。試着の際は、店内にあるおもりなどを借りて、実際に荷物を入れた状態(3~5kg程度)で背負ってみましょう。
- 背面長の確認: ザックの背面長は調整できるモデルと固定式のモデルがあります。店員さんに相談しながら、自分の身長や背骨の長さに合ったものを選びましょう。
- ショルダーハーネスとヒップベルト: ショルダーハーネスは肩に食い込まず、ヒップベルトは腰骨の上にしっかりと乗る位置に来るか確認します。ヒップベルトでザックの重さの約7~8割を支えるのが理想とされています。
3. 安全・快適をサポートする機能
最近のザックには様々な機能があります。ブランクを埋める上で役立つ機能もチェックしましょう。
- ポケットの配置: 地図や行動食、スマートフォンなど、頻繁に使うものをすぐに取り出せる位置にポケットがあるか確認します。ヒップベルトのポケットは便利です。
- レインカバー: 雨からザックを守る専用のレインカバーが付属しているか、または別途購入できるか確認します。ザック内部への浸水は、装備を濡らすだけでなく、ザック自体の重量を増やし、行動に支障をきたす可能性があります。
- 通気性: 背面やショルダーハーネスの通気性が良いモデルは、汗による不快感を軽減します。
- コンプレッションストラップ: ザックの側面などについているストラップで、荷物の量に合わせてザックの容量を調整したり、荷物をしっかり固定したりできます。荷物のブレを防ぎ、安定性を高めます。
実践!安全で疲れないザックのパッキング術
ザックを選んだら、次は荷物を詰める作業です。闇雲に詰めるのではなく、安全と快適性を考慮したパッキングを心がけましょう。
基本原則:重いものは背中側に、すぐ使うものはすぐに取り出せる場所へ
ザックのパッキングにはいくつかのセオリーがあります。特に重要なのは、重心を意識することと、荷物を整理して収納することです。
- 下部: 軽量で、かつ行動中にすぐに取り出す必要がないものを収納します。例えば、着替え、サンダル、テント泊の場合はシュラフなどが該当します。クッション材にもなり得ます。
- 中央~上部(背中側): 最も重い荷物(水筒、食料、燃料など)を背中のできるだけ高い位置に配置します。こうすることで、体の重心とザックの重心が近くなり、バランスが安定し、体への負担が軽減されます。ただし、固いものが背中に直接当たらないよう、タオルなどで保護すると良いでしょう。
- 上部: 行動中に頻繁に使うものや、緊急時にすぐに取り出したいもの(レインウェア、防寒着、行動食、ヘッドランプなど)を収納します。フタ付きのザックの場合は、フタ部分に入れるのも良い方法です。
- 外ポケットやサイドポケット: 地図、コンパス、スマートフォン、救急セット、タオル、飲み物(ボトル)など、さらに頻繁に使うものを収納します。ただし、重すぎるものを入れるとバランスが悪くなるので注意が必要です。
- 隙間を埋める: 荷物を詰めたら、衣類などを利用して隙間なく詰めるようにします。こうすることで、ザックの中で荷物が動くのを防ぎ、歩行中のブレをなくし、安定性を保つことができます。
- 防水対策: 荷物は個別に防水袋に入れたり、ザックライナーと呼ばれる大型の防水袋をザックの内側に入れたりして、雨や結露から守るようにしましょう。
パッキング後の最終確認
すべての荷物を詰めたら、ザックを背負ってみましょう。
- フィット感と重心: ショルダースハーネス、ヒップベルト、チェストベルトを調整し、肩や腰に適切に荷重が分散されているか確認します。重いものが背中側にきちんと収まり、体のバランスが取りやすいかチェックしましょう。
- 荷物の固定: ザックを軽く揺すってみて、中で荷物がカタカタと動く音がしないか確認します。コンプレッションストラップを引いて、荷物をしっかり固定します。
まとめ:安全なアウトドアは、ザックとパッキングから
久しぶりのアウトドアは、新鮮な感動と同時に、少しの不安も伴うかもしれません。しかし、適切なザックを選び、丁寧にパッキングを行うことは、その不安を減らし、安全に活動を楽しむための第一歩となります。
今回ご紹介したザックの選び方やパッキングのコツは、基本的な考え方です。ご自身の体格や体力、計画している活動に合わせて調整することが大切です。出発前にしっかりと準備を整えることで、ブランクがあっても安心して、週末のアウトドアを存分に楽しんでいただけることでしょう。
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